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線量管理の義務化 IVR装置編 その4

線量管理の義務化 IVR編 その4

こんにちは、秋田出身の非常勤放射線技師Pです。

安倍政権が終わりを告げ、菅さんが総理大臣になりました。

秋田県民である私としては秋田県初の総理大臣ということもあり、勝手にテンションが上がっております。

 

前々々回の記事(8月22日)

前々回の記事(8月31日)

前回の記事(9月7日)

 

 

さて、このブログも今回で4回目になりますね。

今回はお金の話をしたいと思います。

 

COVID19の影響

 

2020年4月から被ばくの線量管理の義務化が始まった時、世間ではCOVID19 が騒がれ始め、9月になった今では世界的に大きな関心事です。

多くの病院ではCOVID19 の対策として、エントランスでの検温の実施、発熱者に対する特別外来の設置、消毒の徹底を行っています。

初めは大変でしたが、これらの感染対策は医療のニューノーマルになりつつあります。

 

また、外来患者の減少、手術件数の減少、もちろんカテーテル検査室での手技も減少しました。

医療機関にとって様々な形で経済的に大きなダメージを及ぼしました。ほとんどの医療機関が赤字でした。

 

特に緊急事態宣言が出た月の経営は苦しい日が続きました。

 

さて、このことが線量管理とどのようにつながってくるのかと言いますと………。

 

 

線量計購入の稟議が通らないんです(T﹏T)

 

 

線量計は…

 

IVR装置の線量管理に必要なものを購入するとなると300万円前後の費用が掛かります。

機能制限のある下位のモデルでも200万前後はします。

また、2年に一度線量計の校正が必要になってきます。校正にかかる費用はおおよそ30万円になります。(JQAだと校正費用は抑えられますが…。)

 

初費用で300万で2年に1度30万

 

医療という市場なら『そのくらいは安いもんだろう』と考える方もいるかも知れません。

しかし、なかなか稟議が通りにくいのは確かです。

これは決してCOVID19の影響だけではないはず。

 

経営者はお金がかかる話になると急にシビアになります。

そう、病院経営というのは甘くありません。

 

実際に

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2019年の医療機関(病院・診療所・歯科医院)の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は45件(病院8件、診療所22件、歯科医院15件)、

その他にも病床編成や機能分化などで病床を減らしながらも、工夫をして経営に取り組んでいる病院が多く存在します。

 


 

 

法令で決まった事なのに、なぜ稟議が通らないのか?!

 

 

それは病院経営者と放射線科の考え方に大きな乖離があるからだと私は思います。

 

 

放射線技師は日ごろからより良い画像を提供するため、技術向上に研鑽しています。

被ばく線量管理の義務化に関しても、多方面から情報を集め、勉強を怠っていません。

『しっかりとした対応をとれるように!』

放射線技師の考えでは線量計は必須なのです。

 

罰則がない?!

 

しかし、病院経営者の考え方は少し違います。

『線量計なんて、そんな初期費用もランニングコストも掛かる物に経費は出せません。』

という返答がかえって来た人もいるのではないでしょうか?

 

なぜ義務化になったのに必要経費を出してくれないのでしょうか。

 

 

理由は簡単です。

 

 

『義務化に背いたとして、なにか罰則があるんですか?前例はあるんですか?』

という考え方になるんですね。恐ろしい。

つまり、義務化に従わなくても罰則がないならお金出す必要はない。

『他の病院で大きな罰則が科せられた時に考えます。それまで放射線科でうまいこと対策しておいてくださいね。』

という感じです。

バレなきゃ大丈夫とでも思っているのか?

 

正直、私たち診療放射線技師の立場からしたら、線量管理をしないというのは考えられないですよね。

皆さんは、このような状況でどのような対応を取られますか?

 

こうなったら線量測定を外部委託するしかないですね。