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線量管理の義務化 IVR装置編

線量管理の義務化 IVR編

こんにちは、非常勤放射線技師のPです。

今年の夏はいつもの夏よりも暑く感じますが、『どうやら去年よりも真夏日が少ないらしいよ』という毎年と同じような夏の会話をしている、普通の診療放射線技師です。

 

ただ今年はCOVID19の関係もあり、皆さん例年とは違った夏をお過ごしではないでしょうか。来年以降も今までとは違った夏になるのでは?なんて思っております。

 

ところで、診療放射線技師はCOVID19とは違う変化がおこりましたね。

 

 

『専用の線量計が必要』

 

2019年3月、診療用放射線に係る安全管理体制について、医療法施行規則の一部が改正され、2020年4月、被ばくの線量管理の義務化が始まりました。

 

診療放射線技師並びに関係各社の方々は頭を悩まされているのではないでしょうか。

 

COVID19の陰に隠れてはいましたが、この線量管理の義務化は大きな問題になってきていると思います。

 

というのも、安全管理対象機器の中に『血管造影検査に用いる透視用エックス線装置(以下、IVR装置)』が含まれているんですが、これに関しては専用の線量計が必要になってくるんですよね。

 

分かる人にはわかると思うんですけど、患者照射基準点での線量の測定・計測が必要になるんですよね。

 

法令では『測定に使用する線量計は、電離箱線量計または半導体検出器を使用する。なお、 使用する線量計は 10mGy/min〜100mGy/min 程度の線量率を測定できるもの を選ぶこと。これらの線量計を所有していない施設では、個人被ばく線量測定 サービス機関が供給する環境測定用ガラスバッジやOSL線量計を利用してもよい。 』

 

とあるので、専用の線量計を持っていない施設でもなんとかなりそうですが、リアルタイムで計測値を確認できない中で≪線量測定に慣れていない技師≫が、正しい測定ができるのかという疑問もあります。

線量管理

『測定には専門的な知識が必要』

 

実際、以前在籍していた病院で7つのIVR装置の線量管理を年2回していましたが病院を移った今でも線量管理について質問が来ます。しかも、JAPIA認定の認定診療放射線技師が4名もいるのに…。

つまり、計測や管理の方法をしっかり理解していて、実際にできる技師はまだまだ少ないというのが現状だと感じています。
まあ、理解して計測に慣れさえすれば必要な数値と資料が分かってきますが意外に大変なのが、今回義務化になった線量管理になるんですよね。

 

立ちはだかる購入費用の問題

線量計を購入するとなれば安いもので200万円、線量計の校正に2年毎に30万円程度かかります。

このCOVID19の影響でどの病院も経営に悩んでいる中でこれだけの価格の購入にはなかなか稟議がおりないのが現状らしいです…。


私が今年の春から勤務している病院でも「線量管理が義務化になるので任せたい」と言われていたのですが、未だに線量計を購入していません。

 

どうやら、他の病院関係者に聞いてみても同じように線量計がなくて困っている診療放射線技師はけっこういるようです。

 

義務化が始まったなかで、線量管理に必要な線量計がない!

 

この状況、皆様どうされますか?