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線量管理の義務化 IVR装置編 その2

線量管理の義務化 IVR装置編 その2

 

こんにちは、非常勤放射線技師のPです。

先週から比べたら朝・夕の気温がぐっと下がり少しずつ過ごしやすい季節に変わってきているように思います。

 

前回の記事(8月22日)

 

さて、先日は線量管理の義務化に関して少しお話しましたが、今回は『血管造影検査に用いる透視用エックス線装置(以下、IVR装置)』の線量測定について少しだけお話したいと思います。

 

医療被ばくの線量管理は、診断参考レベル(DRL)に基づく線量の最適化を基本としています。

 

IVR装置のDRLの値は日本血管撮影・インターベンション専門技師認定者および受験者が在籍する施設の全装置の『患者照射基準点』での線量率の測定値をもとに算出されています。このため、今回の医療法施行規則の一部改正による、被ばくの線量管理の義務化で患者照射基準点での線量測定が必要になりました。

 

ここで、『患者照射基準点ってなに?』ってなった技師の方もまあまあの割合でいるのではないかなと思います。ちょっと前まではIVR基準点と呼ばれていたんですが、この患者照射基準点における線量を指標としている方法は、IEC(国際電気標準会議)が定めた、装置の品質管理や患者被ばく線量の把握なんかに用いられています。

 

簡単に言えば、患者の被ばく線量を測る世界標準の基準点ということです。

 

 

患者照射基準点の幾何学的配置図はこのようになっています。

 

 

機器の幾何学的配置

図:機器の幾何学的配置

 

アイソセンタの取り方さえ理解できれば、そこから15㎝下の位置が基準点になることが分かりますね。

 

実際の計測に当たっては、線量計、被写体、測定など色々なところでつまずきポイントがあります。

例に挙げると、

  1. 線量計は何を使用するのか、
  2. ファントムの種類と厚さは、
  3. 測定値に影響を及ぼす因子は、
  4. 線量計の保管は、
  5. 測定された表示値に対する補正は、

 

などが挙げられます。

 

皆さんが学生の頃に必死になって実験してレポートをまとめてきたことがようやくここで生かされることになりますね(笑)。

 

 

あとは測定に当たって気をつけるべきは、測定の値に『信頼性・信憑性』を持たせることですね。

例えばですが、

  1. 線量計の校正は実施されているのか、
  2. 装置の種類や透視・撮影の条件はどうか、
  3. 測定時の詳細な条件は…

 

など計測時の状況を細かく記録しておかないと、そもそも値が正しいかどうかの指標になるものがないですからね。

 

 

と、測定に関しては色々注意点があることが分かったと思います。

慣れてしまえば、難しいことはないんですけどね。(学生の頃に経験はあるはずですし。)

 

でも正直、計測って面倒ですよね。時間もかかるし。