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線量管理の義務化 IVR装置編 その3

線量管理の義務化 IVR編 その3

 

こんにちは、非常勤放射線技師のPです。

9月に入り過ごしやすい時期が来るかと思っていましたが、台風の影響もあり天気が崩れたり、台風一過で暑くなったりと体調管理が重要になってきていますね。

 

前々回の記事(8月22日)

前回の記事(8月31日)

さて、前回は患者照射基準点についてお話しましたが、今回は診断参考レベル(DRL)について少しだけお話しできたらと思っています。

 

被ばく線量の最適化

 

先日、『医療被ばくの線量管理は、診断参考レベル(DRL)に基づく線量の最適化を基本としています。』と言いましたが、

これに関して勘違いしないでいただきたいことがあります。

 

DRLの基本的事項は

 

  1. 診断参考レベルの概念は、ICRP Publication73(1996)にさかのぼる。現在は、多くの国際機関が医療被ばくに対する最適化のツールとして診断参考レベルの導入を推奨。
  2. 線量限度や線量拘束値のような制限値ではない。
  3. 標準的な体格の患者へ適用するには高すぎるかもしれない線量の目安。
  4. 著しく高い線量を用いている施設が、それを自覚するために用いられる。
  5. 基本的には、確率的影響リスクを念頭に置いた患者の放射線防護のためのもの(IVRの診断参考レベルも、原則、不必要な確率的影響リスクの回避のためである)。
  6. 診断参考レベルの値の再評価は、定期的に行われる。
  7. 適切な医療と不適切な医療との線引きをするものではない。

 

になります。

決して強制されるものではないということです。

 

語弊のある言い方かもしれませんが、言い方を変えれば『患者への被ばく線量は高かろうが低かろうが、その施設の考え方次第で、診断・治療に必要とあればどれだけ被ばくさせても構わない』ということです。

 

 

じゃあ、なんで線量管理やるの?と思う人もいるかもしれないので少し説明させていただきます。

 

検査を中断?!

 

皆さん知っていることだとは思いますが、被ばくの種類には大きく3種類あります。

  1. 職業被ばく
  2. 公衆被ばく
  3. 医療被ばく

そのうちDRLで最適化しましょうと言われているのが『医療被ばく』になります。医療被ばくは線量限度が定められていません。

なぜなら、患者さん個人によって必要とされる医療提供される・できる医療に影響を及ぼす可能性があるからです。

 


 

もしも、医療被ばくに線量限度が定められていたら、

経皮的冠動脈形成術(PCI)の最中でも検査を中断しなくてはいけない状況が起こりうるのです。

そんなことは患者さんにとってあってはなりません。

 


 

-医療被ばくに線量限度はない-

 

これは『患者さんを全力で診断・治療しましょうね』ということですが、

同時に将来に起こりえる放射線障害についても考えないと非常に危険な事でもあります。

(特に緊急の対応が求められる医療の現場などでは。)

 

だからこそ、医療人たるもの少しでも患者さんの被ばくは低減したいものですよね。

医療被ばくの低減化は放射線を取り扱う医療従事者の職業被ばくを抑えることにも直結しますしね。

 

 

つまり簡単にまとめると、

 

『医療被ばくに限度を決めてしまうと患者さんの受けられる医療に制限がかかる可能性がある。だから制限をかけない代わり、被ばく線量は自施設で適切に管理しましょう』

 

ということだと思います。

 

線量管理をして放射線防護の最適化をするにしても基準値が必要

 

適切な線量管理をするために用意されたツールが診断参考レベル(DRL)になります。

 

また、基準になる値を得るためには基準になる幾何学的配置が必要になりますよね。それが患者照射基準点です。

 

どうですか、皆さん少しづつでも理解が深まっているでしょうか。今回は私の解釈も含めてのお話になりました。

あくまでここでお話しさせて頂いている内容は表面的な内容になっていますので、もっと詳しく知りたい方はしっかり勉強してみてくださいね。

詳しい内容も少しづつUPしていこうと思っているのでよろしくお願いします。

 

 

基準点

基準点のイメージ